教団改革の精神 その3

「世界救世(きゅうせい)教」の内紛、分裂の真相を基に改革を 3

対策の中で浮かび上がった問題点

ここで、「新生協議会」が行った対策を二つの角度から見つめてみます。

まず、「教団護持委員会」に対して「おひかり」の下附をしないという点です。これに対して「教団護持委員会」は当初苦慮しました。入信希望者がいても、「おひかり」の保管数がなくなっていったからです。そこで、「教団護持委員会」支持の幹部が「新生協議会」側の親しい者から、金品の授受のもと譲り受けるという形で「おひかり」を確保しました。

これはご下附という性格にはそぐわない面があります。

「おひかり」に対する考え方は、「新生協議会」からも「教団護持委員会」からも神聖なものを受け取れません。しかも、それ以前に「おひかり」というものは本来人を救うためにあるはずなのに内紛の対策のために使われたということが筋違いなのです。その時点で、教団内で「おひかり」の本来的な意味は消失したと言わねばなりません。

また、この時点で問題として浮かび上がった内容は、「おひかり」の御入霊の祭事に関する様式です。祭事で「天の数歌」を唱えるというもの(当時)でした。これは御教えに示されたものと全く異なるものでした。これは本来的な在り方から掛け離れ、存在そのものが問われる重大な問題でした。

昭和29年以降、「おひかり」は組織論で存在し続け(「メシヤ講座・特選集no.96 ≪挨拶≫」参照)、御入霊の在り方も御教えと異なっていたのです。これは、二代教主様が組織を維持するために「御神体」を揮毫したことと併せ考えなければならないこととして、改革の主眼として明確にされたのでした。

次に、「教団護持委員会」支持の信者に対して「祖霊祭祀」の申し込みを受け付けない、というものです。この頃、未信者に対しても「祖霊祭祀」の申し込みを受け付けていたので、一貫性がないことが一目瞭然でした。

そしてまた、「祖霊祭祀」も御教えとは異なるところから発生した、ということで改革の眼目として浮かび上がったのでした。

このことは、昭和47年の一元化後に信仰が変質したとする内容には「おひかり」、「祖霊祭祀」の存続問題が加わったことを意味し、教団の根本的な問題が更に明確になったのでした。

こうした点を挙げてきた上で、もともと「新生協議会」以前に“何故「正常化委員会」を結成してまで渡辺哲男氏を総長にしなくてはならなかったのだろうか”ということを考えなければなりません。

事を起こす昭和59年以前は、“中村力総長(当時)の次は渡辺哲男総長になるだろう”というのは大方の見方だったのです。というのは、盛んに若い職員の間で「渡辺哲男氏を囲んでの勉強会」が持たれていたからです。

勉強会が持たれていた最大の理由は、ブラジル布教の発展と特徴的な内容が若い職員にとって魅力的だったからです。一点は、キリスト教の牧師が信者となり教会の勤めが終了すると浄霊に取り組む、ということです。世界布教というのはそうした姿で進展するのか、という思いが広がりました。これは、後のタイ布教でも共通するところがあり、仏教の施徳の最高位に浄霊を位置付けることにより発展を見ていることと併せて興味深いものでした。

また、定年退職した人々が再就職せずに教会で浄霊に勤しんでいる、ということは魅力的なことでした。これは国内布教でも必要なことであるとも考えられていました。

それが、世界布教という組織論に留まらず、浄霊観を拡大しつつ『万教帰一』への道に繋がってもらいたかったのです。渡辺哲男氏は時期を待ち、時期が到来するまでに『万教帰一』という大理想へ向けた理念を熟成することに取り組まなかったのか、という疑問です。そこまで考えてみると、この問題は渡辺哲男氏が意図したものか、という疑問が加わります。

「正常化委員会」は、旧・中京教会系の幹部によって形成されましたが、その指示は旧・中京教会長から出されたということでした。その原因でもっとも囁かれていることは薬毒です。旧・教会長は、相談役(当時)という名誉職に就いたというほどの先達であるに関わらず、紛争を惹起させる以前に手術を受け輸血まで受けていたというのです。人格が変貌していた、という噂です。

問題は、薬毒です。こうしたことがありました。「新生協議会」から「教団護持委員会」へ移る女子職員(秘書室)の動機は、“「新生協議会」の役員会でゴミ箱の中に薬の包み紙が山積していたので、ここには御教えを実践する姿はない”と断じたというものでした。

そこに真実を見い出すことができます。一女子職員の見たものそのものから、「世界救世(きゅうせい)教」内紛、分裂の原因を薬毒に見ることができるのです。御教えに基づく行動ができていないために起こった内紛でありますが、薬毒に対する認識が希薄であることが最重要課題であった訳です。

それが、三派に分かれてからのそれぞれの取り組みに如実に表れています。

教団改革の精神 その4

教団改革の精神 その2

このページを印刷する